展望
1 投票率
新聞や雑誌を見ていても、投票率は上がるだろう、という人は誰も見かけることができません。
年金未納問題、年金法案強行採決などでの自民党の批判があっても、
民主党がそれらの受け皿になりきれず、政治不信が広がっています。
前回衆院選の議席ヨソウで大活躍だった、選挙プランナー三浦氏は、
タレント候補が地味なこと、去年の「マニフェスト」のような具体的政策論争に乏しいことなどもふまえて、
投票率は良くて50%と見ているようです。
ただ選挙戦のあいだに、イラク問題や北朝鮮拉致問題などで大きな動きがあった場合、
それらが投票率に大きな影響を与えることもありえます。
もちろんあちこちで行われている選挙に行こう、という呼びかけがもしかしたら功を奏する可能性だって、なきにしもあらざりかねません。
ちなみに昨年衆院選は59.86%、01年参院選は56.44%です。
過去最低は95年の44.52%ですが、まさかこの数字を下回るなんてことは・・?
2 与党
自民は98年参院選で44議席と惨敗、その後追加公認で6人増やし、
50議席で今回の改選を迎えます。
目標は表向き51ですが、実質的には自民が参院で15年ぶりに単独過半数に回復するための
「56以上」と言われています。
下の表は文春、サン毎、週朝の議席予測ですが、各誌とも自民は目標に届く議席を獲得し、
公明党と合わせた与党の議席は60台後半になる、と見ています。
ただ、昨年衆院選でもありましたが、選挙前にあまりにも与党有利という情報が流れると票が野党に流れる、
という「ゆり戻し現象」が発生する可能性もあるので予断を許しません。
また、出生率隠し、多国籍軍参加表明などで、小泉内閣の支持率が低迷しており、これが選挙に影響する可能性もあります。
さらに、考えたくないことですが、スペインで総選挙直前にテロが発生し、政権が交代したという例もあります。
週刊文春 | サン毎 | 週刊朝日 | ||||||
改選数 | 下限 | 中間 | 上限 | 下限 | 中間 | 上限 | ||
自民 | 50 | 41 | 56 | 65 | 58 | 47 | 57 | 67 |
公明 | 10 | 10 | 11 | 12 | 11 | 11 | 12 | 12 |
与党 | 60 | 51 | 67 | 77 | 69 | 58 | 69 | 79 |
民主 | 39 | 33 | 46 | 55 | 42 | 35 | 43 | 51 |
共産 | 15 | 2 | 3 | 8 | 4 | 3 | 4 | 7 |
社民 | 2 | 1 | 2 | 3 | 2 | 1 | 2 | 3 |
みどり | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
3 共産 + 社民 + みどりの会議 + EOD注目候補
2大政党の戦いに埋没したくない各野党ですが、苦しい情勢が続いているようです。
共産は選挙区では各誌、基本的には0という予測ですが、定数が多い東京、大阪などで当選の可能性が比較的高く、
最高2〜4議席獲得もありうると見ているようです。
上の表では比例区とあわせ、2〜8議席というヨソウになっています。
社民は選挙区では苦しく、比例でまず党首と副党首の当選をねらい、さらに議席数を増やしたいところ。
みどりの会議は98年、東京選挙区で出た俳優の中村敦夫氏が70万票で当選。
今回は比例に回りますが、比例では1議席100万票以上が必要といわれ、知名度を生かして票の上積みを狙います。
またEOD注目候補は全員激戦区での立候補となり、厳しい戦いとなりそうです。
鈴木氏は同情論や歌手・松山千春氏の応援、増元氏は拉致問題の訴え、
青島氏は知名度と積極的な運動、辻元氏はみそぎアピールという、それぞれの武器で当選を狙います。
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